@ 1985年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、主人公マーティが、ひょんなことから30年前にタイムスリップし、自分の父と母が出会うきっかけを邪魔してしまいます。2人が結婚しなければ、マーティは生まれてきません。過去と現在に矛盾が生じてしまうのです。ゆえに「タイムマシンは、未来のどんな技術をもってしても製作できない」、これが結論となります。
A 人類は時計の発明によって「時間の管理」ができるようになりました。「ここで午後3時に待ち合わせしよう」などと、時計にもとづいて約束できるようになったのです。また、「過去・現在・未来」を意識するようにもなりました。過去を振り返ったり、未来を想像したりすることが出来るようになりました。しかし、私たちが想像するタイムマシンは、原理的に製作できないのです。
B 私たちはよく「過去の世界」や「未来の世界」を想像します。心の中の時間旅行(タイムトラベル)ならば、簡単にできます。例えば野球チームの監督が「このピッチャーは過去にどんなボールを投げていたか?」と「過去の世界」のことを分析すれば、「未来の世界」でヒットを打つ可能性を高めることができます。「経験を生かす」「学習する」といった点から考えると、タイムトラベルはしばしば有効に働きます。過去を描いた歴史小説を読んだり、未来を予測したSF映画を見たりと、タイムトラベルを楽しみましょう。それは人生を豊かにするだけでなく、人類の未来社会をより良くする手がかりにもなるのです。